2003年4月10日付日経MJより 本日の注目記事(3面)
日経MJに見るマーケティングの戦略・戦術72号
【マーケティング 今日のポイント】
まずはギブ&ギブ。心から尽くす。
=辛抱強く続けてるとやがてテイクできる
「コーヒーでおもてなし」リーガルシューズ岡崎店
きめ細かな顧客サービスの積み重ね 売上高前年比倍増
- リーガルシューズ岡崎店(愛知県岡崎市)では、くつろいで靴を選べるようにコーヒーや紅茶を出しています。「靴屋でコーヒーが出るなんて」と戸惑いながらも来店客は大満足。コーヒーは本格的なものでクッキーまで添えます。子供連れのお客には塗り絵なども用意しています。
- 同店は昨年9月にオーナーが代わって改装オープンしたリーガルシューズのフランチャイズ店です。以前のオーナーが高齢のため閉店することになり、元リーガル社員の尾崎正紀さんが会社を退社、独立し、経営を引き継ぎました。
- 尾崎店長が店舗運営で力を注いでいるのは「おもてなし」と「情報発信」の2点です。
- 商品表示では、パソコンで自作するプライスカードに女性靴なら用途・ヒールの高さ、男性靴なら製法・底材・修理可能かどうかを書き添え、一目でどんな靴かわかるようにしています。靴の選び方や手入れ法などの情報を満載した「くつコミ情報」を、パソコンで季節ごとに作成し、購入客に配布しています。
- また今年の春はリクルート情報に力を入れ、FM岡崎で「市川正人の知らなきゃアブナイ 仕事選び 常識・非常識」を提供。店頭では番組の内容を紹介した手作りのリーフレット「就職活動成功への十大鉄則」を配布しています。
- きめ細かな顧客サービスの積み重ねによりリピート客が増え、開業半年間の同店の売上高は前年同期比倍増のペースで推移しています。
ナルホド、ナルホド.......ピンと来た!(^o^)
⇒マーケティングのヒント⇒自分で早速やってみよう!
⇒マーケティングのヒント⇒自分で早速やってみよう!
- 3面に「地元商店街利用1割以下」と題した記事が掲載されています。「年齢層が下がるほど個人商店への満足度が低い」とありますが、実は満足度以前に、「知られていない」という問題があります。いつもお客は前を通っているのに「気付かれない」ということなのです。
- コンビニ等に比べて目立たないし、気付いても「きっと値段が高いだろう」などと勝手な憶測をして、店に入りません。では、お店としては何をすべきでしょうか。まさにこの記事の尾崎店長がやっている「情報発信」をしなければならないのです。
- ラジオ番組の提供については、新卒社員達を狙ったマス・マーケティングといえます。初めてビジネス用に靴を買う人たちを狙い、彼等が必要としている情報を発信しているのでしょう。
- 「情報発信」をやり始めると、ほとんどの場合少し遅れて反応があります。お客はまず「へー」と思いながらも「様子を見る」のです。お客は継続して受信しているうちに信頼感が湧いてきて、ようやく行動を起こします。ですから、すぐ反応が無いからといって「情報発信」をやめてはいけません。
- そして、反応してくれたお客には、心からの「おもてなし」をすることが大切です。この靴屋さんで言えば、もし来店してコーヒーだけ飲んで帰ろうとするお客がいても、冷たい対応をしてはいけません。通常、お客の心には「コーヒーをただ飲みした」という「借り」ができます。その「借り」をいつか返そうと思うのです。
- このような心理を「社会的交換理論」というそうです。相手に情報を発信し続け、お会いしたら「おもてなし」に心を注いでいる尾崎店長のお店の売上が増えないわけがありません。
- 目先の売上を追いかける意識では、このような行動はできません。また、長期的にお客を育てよう、先々の売り上げを獲得しようという戦略が社内に浸透していなければ、社員はこのような行動をしません。必要に応じて、短期の売上獲得部隊と「顧客育成」部隊を分けることも有効です。
ーーーーー 今日はここまで ーーーーー
ちょっと一言
実は、私ずーっと靴はリーガルなのです。痛い目に合ってから。(T_T)25~26歳の頃、ファッションに全く気を配らない私は、神戸三宮のガード下で安い皮(3,000円位だったかな)を見つけ、購入しました。三ヶ月の後、足の裏が痛くてたまらなくなり、よく見るとウオノメ。その後、毎晩1時間酢に足を浸け、1ヶ月かかって治したのでした。酢につけるとなぜか治るんですよ。
それ以来、「やはり靴だけは健康のためにも良い靴を履くようにしよう」と思い、買ったのがリーガルでした。値段は結構しますが、丈夫ですし、きちんと手入れをしていれば長く持ちます。
15年間、リーガルシューズ一筋です。私のようなロイヤルユーザーに、何か特別待遇は無いでしょうかねぇ。お店をコロコロ替えているからダメか.....。(@_@)